
前日は、成田市の大谷津球場で、千葉の高校野球の夏の選手権大会4回戦を観戦。この日大谷津球場で行われたのは、成田VS君津商と八千代松陰VS日大習志野の2試合。失礼ながらそれほどの注目カードではないと思うのだが、地元の成田高校が登場することと、日曜日ということで結構、観戦する人が多く、内野の観客席はほぼ満員。高校野球人気の高さを実感する。
野球人口の減少の実態
ただ高校野球の頂点である夏の甲子園大会の観客動員数は、2018年の101万人が最高で、昨年(2024年)は67万人となっている。そして高野連に所属している学校の部員数は2025年度で昨年より1650人少ない12万5381人。11年連続で部員数が減少している。中学校での部活動での野球人口の減少はもっと顕著で、自分が初めて野球部の顧問になった2001年度は全国で中学校野球部に所属する男子生徒数は32万人で、中学生の男子の約15%が野球部員。これは種目別にみても第1位で、25年前は男子が中学校で入部する部活として野球を選ぶ生徒が一番多かった。ちなみに2位がサッカーで22万人、3位がバスケの21万人、4位がソフトテニスの21万人である。これが2023年になると、野球は約13万人で、所属率は約8%。少子化の影響で野球部員が減っているだけではなく、野球部を選ぶ生徒の割合が半減している。ちなみに現在、部員数の1位がバスケット(16万人)、2位サッカー(15万人)で3位が野球だが、ソフトテニスと卓球とほぼ同数で、2022年は野球部員より卓球部員が多かった。ここ20年ちょっとで中学校野球部の部員数は半分以下に減っているのが現状で、自分の現場での体感も残念ながら同じ。しかもかつては野球部に入部する生徒のほとんどが小学校で学童野球を経験していている子だったが、千葉だと硬式のクラブチームも増えているので、今は中学校で野球を始める子も結構多い。小学校の学童野球チームもここ15年で4割減っているというデータもあり、野球はやるスポーツから観るスポーツに変化しているのかも知れない。
高校球児の髪型

このような状況を危惧している野球関係者は数多く、大谷翔平が日本全国の小学校に野球のグローブを配布したのもその表れであろう。野球部員の髪型が坊主であるのも、若者の野球離れの一因とされ、高校野球でも坊主頭じゃない野球選手がこのところ急激に増えているのを感じる。「野球選手=坊主」このわかりやすい図式は、もうすでに古いものになっているのか。大学野球もかつて坊主だったが、自分が高校生の時期に坊主ではなくなっていった。(1980年代、下級生は坊主だったりしたが・・・)それから遅れること40年、中学野球もそうだが、高校野球にもその流れがいよいよ及んできており、ここ数年で長髪OKの学校が強豪校でもだいぶ増えてきたような気がする。高校時代、野球漫画の「タッチ」の登場人物が長髪で何かリアリティがなく共感することができなかったのだが、いよいよ「巨人の星」の花形満や「タッチ」の上杉達也に時代が追い付いてきた(随分、長い年月ではあったが)。やはり長髪の慶応が一昨年、全国制覇したことが大きいのかも知れない。この日の大谷津球場でいうと、成田、八千代松陰、君津商は坊主で、坊主ではないのは日大習志野だけだったが、勝ち残ったのは坊主頭の成田と八千代松陰。自分が高校生の時も坊主ではない学校(慶応もそうだった)もあったが、髪が長い学校と戦う時は、絶対負けないし、負ける気もしないという気持ちだったが、今はどうなのであろう?
ガンバレ 野球坊主!

いよいよ22日からベスト8をかけた戦いが始まるが、ベスト8に残る学校のうち、坊主ではない学校はどれくらいあるか。これは今後の千葉の高校球児の髪型を占う意味でも大事な戦い。時代には合わなくなってきてるかもしれませんが、個人的には坊主で野球に命を懸けて戦う野球坊主が好きです・・・。特に強豪校はそうあってほしい。坊主軍団、ガンバレ!