「由々しき事態」で文科省が緊急オンライン会議

名古屋市や横浜市の小学校教員が校内で児童を盗撮した疑いなどで相次いで逮捕された。女子児童の下着などを盗撮し、交流サイト(SNS)のグループチャットに投稿して共有しており、このグループチャットには小中学校の教員とみられる約10人が参加し画像や動画を共有していたとみられ世間を揺るがしている。その他にも連日、教員の性暴力や盗撮などの犯罪が報道されており、文部科学省が10日、都道府県と政令指定都市の教育長が参加した緊急のオンライン会議を開き、服務規律の徹底を強く求めたらしい。

いつものパターン「現場への責任の押し付け」

このニュースを聞くと相変わらずだなとガッカリしてしまう。ガッカリしてしまう相手は性犯罪を犯した教員ではなく、文科省とその下の学校教育組織に対してである。何か世間を騒がすニュースがあると、お決まりで服務規律の徹底、教職員の研修の通達と指示を出す。文科省や教育委員会はこれによって自分たちの責任を逃れるのだと思うが、本当に服務規律の徹底と研修で、こうした問題が解決できると思っているのか。この問題は飲酒運転や個人情報の漏洩といったこととは性質が違う。自分みたいなバカでもそんなことで解決しないとわかるのに、まさか東大や京大卒が揃っている官僚がそんなこともわからぬはずもないだろう。しかし無駄であっても世間や社会へのポーズのためにやらなければならないのが、組織というものだということもわかるのだが、こうした問題が起こるのはすべて現場のせいで、自分たちは通達や指示を出しましたから現場でしっかりやって下さいで終わるのならば、本当に児童や生徒のためを思って仕事をしているとは思えない。

意味不明の未然防止策

文科省は今回、未然防止の具体策にも触れ、・第三者の目が届きにくい環境を減らす ・教師と子どもの密室状態をなくす ・指導には教師らが複数で関わる ・カメラを置けないよう教室などを無作為に点検することなどを行うこと求めているが、実際にこんなことが可能だと本気で思っているのだろうか。第三者の目ってどんな目? 教師と子どもが一対一で話ができなければ、いじめの相談にものれない・・・、だいたい性犯罪を抑止するために教師とこどもがサシで話ができないなんて、そんな信頼のない関係で教育が成立すると思っているのか?カメラの無作為の点検って誰がやるの?教員に疑いがかかってるんだから、教員が点検して何の意味がある? だいたい点検しなさいと通達を出している状況でカメラ仕掛けておくバカがどこにいる・・・。本当にうわべだけの責任逃れの命令で現場をバカにしていてイヤになる。

犯罪者に研修の意味はない

盗撮は犯罪。そんなことはみんなわかっている。「児童の盗撮って犯罪になるんだ、知らなかった」というなら、研修も意味があると思うが、犯罪だとわかってやる人に「こういうことをしたらダメですよ。懲戒免職になりますよ。人生を棒に振るし、教員がみな信頼を失いますよ」ということを何度言っても無駄。だいたいおととし四谷大塚で盗撮事件があってグループチャットでその画像が愛好者の間で閲覧されていた事件があったときに、こういう塾でもあったことがそのうち学校でも起こると予想して手を打つことができなかったのか。

令和3年に議員立法で「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」ができ、昨年にはこども家庭庁を中心に「こども性暴力防止法」が制定され、教師の生徒に対するセクハラアンケートなど毎月のように行われるようになっている(こんなに何度も行うのも異常)が真面目にやっている教師の指導が委縮しているだけで、まったく防止効果をあげていない。

100人に5人は小児性愛者

ロリコンという言葉は昔からあり、いわゆる「小児性愛者」は人口の5%いるといわれている。ただ小児性愛の嗜好があるだけで、犯罪を起こさなければその人の個人の趣味嗜好の問題であるともいえるが、教員はこどもと日常的に接する職業なので、こういう嗜好を持つ人にとってはある意味天国であろう。こうした属性の人にとっては自分の欲望を満たすための犯罪を企図できる機会も多くあり、一般の人よりこういう問題が多くなるのも自然な流れ。こうした現状を顧みずに、そういった嗜好を持たないほとんどの現場の教員に、上から「お前ら何やってんだ」的に責任を押し付けても意味はない。根本的に、こういう嗜好を持つ人が教壇に立たないようにしなければ問題は解決しない。

教員の職務上の性犯罪を重罰化せよ

反対意見もあると思うが、まずこのような犯罪を犯した教員を懲戒免職だけではなく刑事罰で重く罰してもらいたい。今回の事件は性的姿態撮影処罰法違反個人情報保護法違反になると思うが性的姿態撮影処罰法違反(この法律も最近できたばかり)は拘禁刑3年以下、または300万円以下の罰金である。駅や公共の場などでの盗撮の場合は、この程度の刑罰でよいと思うが、本当に教員の校内での性犯罪を無くしたいのであれば、職務上の立場を利用して、校内外で盗撮や性暴力などを行った場合は、業務上性的犯罪として無期懲役または3000万円以下の罰金と重罪にして、二度と社会復帰できないようにしたらどうか。教師がこういうことをした場合、殺人と同じくらいの犯罪認識にして、そういう嗜好を持つ人が「教員になったら犯罪を犯してしまうかもしれないから教員になるのはやめておこう」と最初から思うくらいにしなければいけない。ただその際には、児童・生徒側の嘘による冤罪にも留意しなくてはならない。罪が重くなれば、冤罪や誤解を恐れて教師の指導も委縮してしまうことも予想される。こどもが気に入らない教師を嵌めようとすることも中にはあるだろう。こうしたことを防ぐためにも、教室や廊下に監視カメラを入れることを勧める。教師も何かこどもに指導しなければいけない場面があれば、敢えて監視カメラで撮影されている中で行うことで自分を守ることができる。また教員の生徒に対する性加害防止についても一定の効果をあげることも期待できる。文科省はこれにも反対しているようだが、一体誰のために反対しているのか。文科省が、教員の性犯罪撲滅に本気の姿勢を見せ、ぜひ法務省か国会議員に掛け合って業務上性的犯罪を実現してもらいたい。