自分はMRI検査が苦手である。できれば絶対にやりたくない検査の一つ。理由は、狭い空間の中で身動きできず、何十分もじっとしていなければいけないからである。「えっ、そんなこと、簡単じゃない、そんなの我慢が足りず我儘だよ」と思った人は自分とは脳の働きの種類が違う人だと思う。自分は昨年からじっと立っていると、お尻の付け根から左の足の裏にかけて痛みが出てきてちょっと耐えられず、授業中も座らせてもらうことが多くなっていた。(ちょっと情けない・・・)最初は足の疲れで少し経てば治ると思っていたが、なかなかよくならない。ネットで調べてみたら、多分、症状からして座骨神経痛だと思われる。保険証もできて、時間もあるので先日一度医者に診てもらったところ、「レントゲンで骨には異常がないのでMRI検査をしましょう」という話に・・・。ちょっと予想していた展開ではあったが、気分がブルーになる。前回、MRI検査したのは7~8年前でその時は我慢できずに動いてしまい、画像が乱れていてお医者さんに「動きましたね」とバレてしまった苦い記憶が甦る。

何がダメかというと、途中でまず顔や体のどこかに痒みや違和感を感じ、それを掻くことができずにじっと我慢しているのがまず無理。それとせまいところで体が動かせない状況が合わさって、何か叫びたくなる衝動にかられ、「何かあったら押してください。」と与えられたボタンを押そうかどうしようかという格闘が続く。思い起こせば、子どもの時も床屋で、散髪の際に切った髪の毛が体に付かないようにするため首からかけるマントみたいなものを身につけさせられると必ず顔が痒くなり、それをじっと我慢するのが苦痛で、散髪の後は精神的にグッタリとしていた。大人になってからも一度、腕を骨折してギブスをした時に中の腕の痒みが我慢できずに夜も寝られず、途中でギブスを破壊してしまい、もう医者には恥ずかしくて行けず、途中からギブスなしの自然治癒で復活したことが・・・。何とも情けなく、自分でも嫌になるのだが、教員になってADHDという言葉を知り、自分はこの特性にとてもよく当てはまることに気づいたのだ。

ADHDの特性の問題 <アンデシュ・ハンセン著;多動脳より>

  1. 集中力を保てない
  2. すぐに気が散る
  3. 指示通りにやるのが苦手
  4. 人の話を聞けない
  5. 整理や計画ができない
  6. じっと座ってられない
  7. 頻繁に相手を遮る
  8. 自分の番を待てない
  9. じっとしていられない
  10. そわそわする。常にスイッチONで、エンジンがかかりぱっなしな感じ
  11. 絶えず刺激を必要とする
  12. 貧乏ゆすりをしたり、物をいじったりする

みなさんはいくつぐらい当てはまっただろうか。自分は、12項目中10個該当した。かなりADHD気質なのは間違いない。そういえば、授業中も集中していられず、小学校の通知表にも「落ち着きがありません」「授業中に突然変なことをします」などとたびたび書かれていた・・・。ただADHDというのは、誰にでもそういった傾向はあるものであり、その色合いが濃いか薄いかというものである。コロナの陽性と陰性というようにはっきり2つに分けられるものではなく、背が高い人というのが何センチ以上なのか決まっていないのと同じことである。

 しかし学校の中では、やはりこのADHD傾向の強い生徒が教室にいると、色々かき乱されて周囲にも迷惑をかけ、授業妨害や学級崩壊の原因となり指導が大変なのが事実。自分も教師としてたくさんそういう経験をしてきた。ADHD気質の人にとっては、学校というところは、THE集団生活の権化みたいなところで、みんなと同じ服装で、同じ時間に同じことをするのが求められるとても苦痛な場所なのだ。ただこのADHD気質の人が優れている面もたくさんある。最近、アンデシュ・ハンセン著の「多動脳」という本が読み、自分の欠点ばかりに目を向けるのではなく、この気質のいいところを生かしていこうと考えるようになった。次回は自分を振り返るためにもADHDのよいところについて述べたい。

投稿者

管理人ひろ

大学卒業後、サラリーマンとトラックの運転手を経て中学校の教員として30年間勤務。2025年3月、57歳で早期退職。FIREの生活に入る。人生のセカンドステージのキーワードは「志に生きる」

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