退職して学校教育を変革したい

 「ふきこぼれ教員」とは、大阪公立大学の伊井義人教授と時事通信社の坂本建一郎氏が研究を行い、日本教師教育学会で発表をした「教育を変革したいがために学校を離れた教員」という意味合いの言葉である。この言葉を知ったのは自分が退職を決断した後のことであるが、自分が退職した「思い」とまったく一緒だった。自分も「落ちこぼれ教員」ではなく、「ふきこぼれ教員」でありたい。そういう思いから僭越ながら自分が立ち上げたインターネットのサイトのタイトルに使わせてもらった。

 今、教師の労働環境のブラック化が叫ばれ、全国各地で教員を目指す若者が減り、教員採用試験の倍率が軒並み低下していることがよくニュースとなっている。このため、文科省や政府もようやく重い腰をあげ、1クラスの生徒数を減らしたり、部活動の地域移行、教員調整額の引き上げなど学校教育の改革が進みはじめてきているところである。

事件は現場で起きている

 ただ、自分にはこれらの施策は現場の教員が求めていることとはちょっとズレている感が否めない。文科省や政府も一生懸命色々なことを考えているのだろうが、現場の教員の意見や考えも聞いてほしいのだ。現状、管理職でもない現場の教員は、巨大な学校教育の組織の中では末端に位置し、その声も拾ってもらえないし、また組織の一員としてその施策に権力と面と向かって声をあげることもできない。また一生懸命に自分の使命を全うし、日々の現場で子どもたちと向き合っている先生は日々仕事に追いかけられ声をあげる余裕もないのが実際のところ。しかし、踊る大捜査線で青島刑事が言った有名な言葉「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ」という通り、非常時に現場を大切にしない組織はうまくいかないことは歴史が証明している。

教育は国家百年の計

 早期退職した後の自分の人生のセカンドステージの目標は、教職を熱意のある優秀な人材が自信を持って目指すことができる魅力ある職業にすること。そのために組織から離れて声をあげ、教育についての政策を提言し実行する。そしてそのことがこどもたちにとっても一番、有益なことだと思う。「教育は国家百年の計」なのだ。組織の末端に位置し、仲間もいない一匹狼の自分には難しく無理かもしれないが「ふきこぼれ教員」として現場の教員の声を形にできるように、自分なりにチャレンジして残りの人生を終えたい。このブログはその第一歩として、自分の思いや考えをまとめたり、発信する練習だと思って毎日書いています。